先日、知り合いの女性が、コンプレックスを抱いていた自分の手を褒められて、すごく嬉しかったという投稿を目にし、ひとつの気づきとまた別の大きな共感を覚えました。
今日はそのことについて書いてみます。
まず、気づきについて。
整形外科医という職業柄、毎日数多くの人の手を間近に見て、触っている私から言わせると、そのかたの手は、長い指がすらりと伸び、実に綺麗な手だったと記憶しています。
私が記憶しているからには、相当綺麗な手だったはずなのに、そのかたは自分の指が最大のコンプレックスだというのです。
自己が見る目と他者が見る目、この乖離はなんなんだろう!
視点は違うが、自己評価の難しさについて、
古今亭志ん生(落語家)がこう述べています。
「他人の芸を見てあいつは下手だなと思ったら、そいつは自分と同じくらい。
同じくらいだなと思ったら、かなり上。
うまいなあと感じたら、とてつもなく先へ行っている。」
さて、共感部分。
以前私のマジックを見た知人が、
「俺のような短い不細工な指でも増田のようなマジックができるかな?」
「できますよ」
「いや、そりゃ、自分はきれいな長い指しているから」
「いえ、僕の指はめっちゃ短いですよ。コンプレックスですから」
「いや、いや、指長いやん」
手を合わせて比べてみました。
私の方が小さかったです。
知人は相当びっくりしていました。
「指長く見えたのに。。。。。」
嫌いで嫌いでたまらない私の短い指でもマジックをしている間だけは綺麗な指に変わることができる。
いやあ、マジックを褒められる以上に嬉しかったかも。
所作が、ブサイクな手に品を与える。
文字通り、手品。
2023-04-12 08:50:18
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